とんぼ玉 制作へのこだわり
ムリーニの緻密な模様
とんぼ玉にも様々な作り方がありますが、その中でも私が得意とするのは金太郎飴のようにガラスを溶かしながら棒状に重ね、切り口が絵になっている<murrine/ムリーニ>と呼ばれる手法。重ねては引っ張りを繰り返し作るのでとても細やかな細工になります。
例えば上の画像の『あかずきん』。
作品中では2~3mmの小さな目が、作り始めは50mmほど。瞳やまつげまで細かく作ったものを小さくしているので、虫眼鏡で見ていただいても驚くほど細かくできています。この作業工程が多く時間がかかる上に、できたものを切るまで出来上がりを確認できず失敗も多いため、この方法でつくる人は決して多くはないようです。
日本画や工芸品にもみられる細やかな作業は、たとえ人がその細工には気づかなくても「何か惹きつけられる」という経験があるのではないでしょうか。そのきめ細かい手仕事が私はとても好きで、とんぼ玉にも活かしたいという思いで作品を作っています。小さなピアス一つにも、そのこだわりぬいた制作をしています。
また、この『あかずきん』の裏には、舌をどろんとだした『狼』がいます。
ネックレスのトップとして首にぶら下げることのできる、2~3cmほどのビーズですが、つけた人は『あかずきん』のストーリーを楽しんでいただけることと思います。
同じものは多くは作れません。だからこそお客様に「私へのオリジナル」という気持ちをもっていただけるように、ひとつひとつを作っています
とんぼ玉は子供の手の中にもすっぽりと入る、小さなガラスビーズです。しかしその中に描くものは大きな物語です。
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